50代は自分のことより親の終活が差し迫った問題となります。親の多くはまだ終活を避けて通るといった風潮が根強い価値観の世代。親の終活は子の役目となる事が自然の流れでしょう。でも、そこを通れば自身の終活へのヒントもたくさん見つかります。前向きに取り組みましょう。
生前整理はデリケート。まず最初に取り組むべきは?

「親の終活」を考えた時、まず手を付けるべきは「実家の片づけ」。
私が子供の頃は「実家の片付け」が話題になることはあまりありませんでした。
では、なぜここ十数年で話題になっているのでしょうか?
一つは、豊かではなかった昔に比べ、高度経済成長期やバブル期などを経た世代は、所有している物が圧倒的に多いこと。そして以前なら同居している子世代が日頃から片付けることができていた物も、現在は核家族化が進み実家から離れてしまい、片付けられなくなっていることも原因の一つと考えられるのではないでしょうか。
「家族の在り方の変化」がこんなところにも影響を及ぼしているようです。
親がまだ健在という状態での片づけ

子供とはいっても親の家です。
自分が自室のものを親だからと勝手にいじられたらいい気持ちはしませんよね?
まず親自身に片づけを始める気持ちになってもらう工夫が必要です。
ではまず、その必要性を考えてみましょう。
なぜ、実家を片付ける必要があるのか

▼安全な住環境にする
高齢になると思わぬところで怪我をしてしまうことがあります。親世代はどうしても体は老化しているでしょうから、ただ歩くだけでも足が上がりづらくなっています。反射神経の衰えも考えられ、とっさに手をつくこともできないかもしれません。
家の中に物が溢れていると、つまずいたりするだけでも、大きなけがをする恐れもあり、室内事故の確率は高くなるので、整理整頓する必要があるのです。
床に物を置かない、高い位置にある収納に物を入れないなどの対策が必要です。収納に余裕をもたせるためにも持ち物全体の量を減らすことも必要になってきます。
▼本人以外でも「大切な物」が分かるようにしておく
「遺品整理」という言葉がありますが、そのときは突然やってきます。いざ整理しようと思っても、故人にとって何が大切な物だったのか、残したい物なのかは他の人には分からないものです。また近くに住んでいればよいですが、実家が遠くにある場合は遺品整理に時間をかけられない可能性もでてきます。
「その時」は突然やってきます。慌てて手探りでやるよりも、事前に時間をかけて親の意向を聞きながら持ち物を整理しておくほうが、いざそうなってしまったとき、故人の遺志を大切にすることができます。
生前整理・実家の片付けが難しい理由
実家の片付けというテーマについて、多くの人が関心を持っている要因として、実家の片付けそれ自体の難しさがあるかもしれません。具体的に以下の2つの難しさがあるのではないでしょうか。

▼実家と物理的に距離がある
親世帯との同居や近くに住んでいる場合はよいのですが、緊急性がないと思われがち(子供世代も親の終活からは出来るだけ目を背けたいという無意識の意識が働く)な実家の片付けは遠方に住んでいるとなかなか足が向かないものです。人によっては親が亡くなって数年かけて実家の片づけをしているというケースも見られます。
▼親に「終活」をさせることになる
たとえ親子であっても、細心の注意を払い言葉を選び、親と話し合いをしながら進める必要があります。
実家の片付けで整理したい物は? どんな順番で進める?
実際に実家の片付けに取り掛かる場合、何から手をつけていくかでも状況は変わってきます。
▼自分の物が残っていればそこから手をつける
実家を離れて住んでいる場合、自分の物がまだ実家に残っているということが多くあります。(実家は自分のものを置かせてもらっている場所でもあるのですから、「親の片づけ」という意識ではなく自分事として協力しましょう)
まずは、自分の物から整理をはじめましょう。自分の物から手をつけていることによって、「終活」というイメージではなく、家を整理整頓しているというイメージが強くなりますし、何よりも自分の物なので気兼ねなく整理することができます。
▼危険と思われる物を処分していく
収納以外の場所にあふれている物があれば、「転んだりしたら危ないから」と説明することによって手をつけやすくなります。
▼ためこんでいる明らかに不要な物

包装紙や紙袋、文具類など、明らかに使いきれないほどにためているご家庭をよく見かけます。これらも「こんなに要らないよね」(「こんなもの」とは決して口にしてはいけません!)と言えば納得してもらいやすいので、はじめのうちに片付けるようにします。
▼衣類・靴・カバン類も処分を進める
衣類や靴、カバンなども人によっては長年捨てずにとっている場合があります。3~4年使っていない物は処分する方向で話を進めていくと多くの物を片付けることができるはずです。
▼部屋・コーナーごとに仕分けする
前述の衣類などはある程度まとまった場所にあるので、手をつけやすいのですが、これ以降は部屋ごと、キッチン、押し入れ、仕事机などコーナーごとに整理をしていくとやりやすくなります。
大きなダンボールを2つ用意し、処分する物と残す物に分けていきます。
片づけには、全ての物を出して分けるという考え方もありますが、実家の生前整理の場合、あまり大仰にするのではなく、親御さんと一緒に作業をすすめ判断してもらう方が、あとで揉めるのを避けられるでしょう。ただし「どれも必要」と言われる場合もあるので、ある程度の判断基準はもっておくことをおすすめします。
半分まとめ
~その1~という事で、今回は実家の片づけの意味と、最初に手を付けることをご紹介してきました。
実家とは別の場所で暮らす子供世代が多い中、この生前整理は昔ほど親密でなくなった親たちとの時間をあえてとることのできる貴重な方法の一つです。
これをする中で親の考え方や、生活の仕方を再認識し、明らかに生きてきた時間よりは共に過ごせるであろう少ない時間を前向きなものとすることもできるものではないでしょうか?
~その2~では処分するだけではない生前整理というものも考えてみたいと思います。


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