50代は介護や老後が気になってくる年代です。身近な人が認知症になることが当たり前になりつつある今、誰もが親など大切な家族の認知症の兆候に注意して、早期発見する心がけと認知症になった後の問題に備える必要があるでしょう。
資産凍結

認知症などを理由に判断能力が低下・喪失することによって、資産凍結されてしまうと自宅での介護サービスの利用や各種介護施設への入所などで、一気に増すであろう出費を、親の資産で賄うことが出来なくなります。そうなると子供がそういった出費を負担しなければならないケースが多く見受けられます。
資産凍結とは、預貯金口座からお金を引き出すのが難しくなるだけではなく、親が持つ自宅などの不動産、保有株式等の売却もできなくなるのです。
この物価高で、ただでさえ家計はダメージを被っているところへ親に関するものもとなると、大変な負担になることは間違いないでしょう。
判断能力の低下・喪失により凍結された親の資産はを親の介護費用に使う方法はないのでしょうか?
その方法の一つで、割と多くの人が耳にしたことがあるであろう制度が、「成年後見制度」です。
成年後見制度
例えば認知症で判断能力が衰えてしまった方がいる場合、周囲の方が制度を用いて後見人となり、
その方の財産を不当な契約などから守ることができる制度です。
判断能力が不十分なため契約等の法律行為を行えない人を後見人等が代理し、必要な契約等を締結したり財産を管理したりして本人の保護を図るために設けられました。
一見便利に思われる制度ですが、以下のような課題も潜んでいるのです。
・本人の財産の保護が目的で、家族のためにお金を使うなど柔軟な財産管理・運用ができない
などです。
さらに後見人に弁護士、司法書士、社会福祉士などの第三者が選任された場合、毎月数万円ほどの報酬を払う必要があるうえ、
一度利用を開始すると途中で利用を止めることもできないため、経済的な負担も大きくなるでしょう。
また、ニュースなどで見るように後見人による横領などの事件も起こっていますから、ただでさえ大切な人が認知症になるというのは精神的な負担が伴うものであるのに、他にも心配な種が増えてしまうのでは、何のための制度なのかと感じてしまう方もいるでしょう。
家族信託
そんな成年後見制度以外に家族の資産を守る方法として、近年注目されだしたのが「家族信託」です。
家族信託とは、自分の老後や介護時に備え、保有する不動産や預貯金などを信頼できる家族に託し、管理・処分を任せる財産管理の方法のことです。 遺言書以上に幅広い遺産の承継が可能であるほか、信頼できる身内に財産の管理を託すため、基本的に高額な報酬が発生しない点なども特徴です。
これにより、仮に親が認知症になっても財産は子の手によって安全に管理され、金融機関による資産凍結を避けることができるのです。
なお、信託財産とは、信託契約をもとに管理や処分を行う財産のことで、現金(預貯金)だけでなく、不動産(居住用・賃貸用)、株式や債券のような有価証券など、財産的価値のあるものは基本的に信託できるという点も家族信託の特色です。
とても有効な制度ではありますが、なんにでもメリットがあればデメリットというのはあるものです。
家族信託は万能ではありません

家族信託には身上監護権はありません。これは、認知症になった親が施設に入居する場合、受託者である子どもが親の代理人として入居契約をすることができないということです。
家族信託はあくまでも、財産管理のための制度です。入居した施設のお金を信託された財産の中から支払うことはできますが、親の代理人として入居契約をする権限はないという事ですから、後見制度のメリットも考えて検討するのが良い場合もあります。
専門家の意見も大いに役に立つでしょう。
私自身は手続きを司法書士さんに依頼しましたが、それで縁を繋ぐことで税理士さんなどとの出会いもあります。
認知症の家族を抱える家庭の事情は様々です。
成年後見制度だけでなく、家族信託という方法もあるという認識を踏まえて、
自分の家族に良い良い方法を選んで準備していくことをおすすめします。


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